マシュマロな彼
かぷっ
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いきなり人差し指が暖かい何かに包まれた。
慌てて指を見てみると、何者かに銜えられている………。
銜えている相手は、もちろん………
「雪?」
「ん~……。なーに?桜ちゃん」
さっきまで寝ていたはずの、雪だった。
「ちょっと……雪、やめてよ~」
私は、笑いながら雪に言った。
それでも雪は、そんな私の言葉が聞こえないのか、聞こえないふりをしているのか、指を銜え続けている。
さらには、私があまり抵抗しないのをいい事に甘噛みしたりしてて。
くすぐったい。
「雪っってば……」
何度名前を呼んでも返事はない。
それどころか、銜える指を離そうとする気配もない。
ずっとされているうちに、なんだか変な感じになってきた。
「雪、ほんと止めてってば」
初めての感覚に、戸惑いながらもヤメない雪に怒りというより、恐怖を感じてきた。
いつもは、可愛い雪なのに今の雪は、怖い。