マシュマロな彼
「桜ちゃんて、そんなキャラだったんだ。いつも冷たいからさ、てっきり引きこもり寸前の根暗ちゃんかと思ってたよ」
銜えていた指を離した雪は、意地悪そうに底光りする瞳をこっちに向けた。
その言い方は、なんだか雪じゃないみたいに冷たいものだった。
いつも通りの可愛い口調なのに、どこか怖い感じがする。
それより……今思ったんだけど雪って何でここにいるの?
「ねぇ、ゆき」
「んー?」
「なんでココにいるの………?」
「…………」
さっきまで、何かしらの返事をしていた雪は、とうとう何も喋らなくなった。
そのかわり、
―――――ぐいっ
私の手首を思いっきり引っ張ると………
「きゃ…」
ぎゅっと抱きしめた。