マシュマロな彼



「ん……?」


「俺、ちょっと用事あるからさ……。一人で帰れる?」



雄也くんはまた遠慮がちに聞く。



一人は心細いけど、雄也くんに用事があるのなら仕方がないよね。



「うん。全然平気だよっ。ばいばい」




無理して作った笑顔…。



雄也くん鋭いからわかってるよね…。



そう思いつつも、自然な笑顔が出来ない……。



そうして自分ばっかり……。そう思ってしまう。



雪と付き合う前までは、自分に自信が持てなかった私。



雪と雄也くんのおかげで少しは持てたと思ったのにな………。




そんな私の心に、寒い風が吹きわたっていた。





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