マシュマロな彼




「ほんとだ」



「泣いてるよ」


面白おかしく騒ぎ立てる野次馬たち。





いい見世物だ……。


ますます涙が出て来そうになった。



その時、私の頭の上にフワリと何かが乗った。



そして………



「おはよー。桜ちゃん、何大きなあくびしてんの?」





いつも聞きなれた、優しい声が私の頭の上から降ってきた。




「お、おはよ。雄也くん」




上を見ると、優しそうに微笑む雄也くんの姿。



周りにいた生徒たちは「何だ~。あくびかぁー」なんていいながら散らばって行った。





私の顔を覗きこんだ生徒たちは、何故だか青い顔をして私達から離れていった。






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