マシュマロな彼
「大丈夫?」
雄也くんは、私の頭の上に置いていた手をゆっくりと動かせて
まるで小さい子にヨシヨシするみたいに撫でた。
その手が優しくて、また涙が出そうになったけど、これ以上雄也くんに心配を掛けたくないから
「大丈夫だって」
そう言って笑った。
雄也くんは、いつか見せた不満そうな顔をしながらも「そっか」と呟いた。
雄也くんと一緒に歩きながら教室へと向かう道、何か言っていたようだけど、私の耳には入らない。
それほどまでに、頭の中は雪でいっぱいだったんだ。
あの後、保健室に残った雄也くんと雪と恋ちゃんがどうなったのかは、分からない。
だけど、ふと見せる雄也くんの苦しそうな表情から、昨日何かがあったよう……。
そんな苦しそうな表情をする雄也くんの眉間には、薄くしわがよっている。