マシュマロな彼
「さ~くらっ!」
「おはよ。桜ちゃん」
教室に入ると、いつものように雄也くんと雪がこっちに寄ってきた。
雄也くんは、ポケットに片手を突っ込んでもう一方の手を挙げて「ようっ」ってかんじ。
それとは違い、雪はピョンピョンとスキップをするように私に近づいてきた。
「桜ちゃん、こいつさ~」
「や、やめろって!!桜っ、なんでもないから」
何か言いそうになった雄也くんを、何故か焦った雪が阻止した。
今日の私は、機嫌がいいし雪のかんがえている事なんてわかんないけど
たいした事しゃないと思う。
そんな感じでスルーしておいた。
その時……
「あ、あの…おはよ」
雪と雄也くんと話していた私の後ろから、小さくて控えめな声がしてきた。