マシュマロな彼





「もう昼ー…」


やっと起きたと思っていた雪は、よっぽど眠たいのか



再び夢の中に入っていこうと…している。




「って、こらっ!雪~起きたらいい物あるのに…」




いい物っていっても、雪にとっていい物とは限らないけど……、普通そういわれたら気になるよね?




「…いいもの?」



私の予想通り、雪は興味を示したみたいで耳をこちらに少し傾けた。




「元気が出て、おいしい物っ……………多分」




そう言っている間にも、顔がだんだん上がってきて


「なになに?」



言い終わる頃には、興味津々な顔で私を見ていた。




興味津々といっても…、なんだか瞳の奥がキラキラしていて



口元が緩んでいて……まるで何かを考えているような顔。



うっ……その顔、写真に収めときたいんだけど。



「何だと思う?」



その顔をもっと見ていたいが為に、少し意地悪をした。


それなのに……それなのに……




「やっぱりそれって……さくら?」





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