マシュマロな彼




「えへへ…、違うの?」


頭をポリポリとかきながらもそんな事を言う雪。


さっきの…本気だったんだ。




いつの間にか、皆はいつも通りに戻っていて、雄也くんは何処かへ行ってしまっていた。




もしかしたら、気を使ってくれたのかも。




「はぁ…、お弁当作って来たの」


「え…?お弁当、さくらが作ったの…?」


「う…、うん。そうだけど…」


「ありがと~」




雪は、すっかり目が覚めたみたいで、私を見てニコニコ……満面の笑み。



机の上に出しておいた淡い青色のお弁当箱を、雪に渡した。



よく考えれば、私……雪の好きなものとか嫌いな物とか……全然知らない。



だから、今日のお弁当の中身は子供が好きな物ばっかり。




お兄ちゃんから「まるでお子様ランチだな」って言われたほど。







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