マシュマロな彼
ゆっくりと雪が抱きついているのが見えた。
やっぱり雪だった。
そう思ったのと同時に、ふと頭に浮かんだ事………。
私……、男の子と一晩、過ごしちゃった?
そうだとすると……
体に抱きついている雪の両手を慌てて離し、いそいそと自分の体を抱きしめた。
―――――――わしゃ…
すぐにわかったワイシャツの感覚。
よ、よかったー。
服、ちゃんと着てるし何もなかったみたい……。
………////
って、何妄想してんじゃいっ!!
小さく自分でツッコミをした。
だってねー…いくら可愛い雪っていっても、男ですよ?
私、女ですよ?
普通、そういうかんじになりません?
「さく…らぁ。おはよ」
私がどんな事を考えているのかまったくわかってない(……と思う)雪は、純粋な目で私を見てきた。
そして、また私の体をぎゅっと抱き寄せた。
花にふわりとかかった寝癖のついた髪の毛。
ちらっと見えたとろんとした瞳……。
そんな小さな事ですら私をきゅんとさせるのには十分。