マシュマロな彼






その後も、何度もおいしいと言ってお弁当を食べている雪を見ていたら



早起きの辛さなんてどっかに飛んでいってしまった。




それどころか、これからもずーっと作っていきたいな……なんて。




おいしそうに食べる雪をみているだけで、こっちのお腹はふくれてしまう。



「ごちそうさまでしたぁぁぁぁ」


「は、早っ」


「むふふ。凄くおいしかったよ!さくらっ、ありがと~」




あっという間にペロリと完食してしまった雪は



鼻歌なんて歌いながら私が食べ終わるのをニコニコしながら見ている。




なんか…、ちょっと食べにくいや。



でも、嬉しそうな顔の雪を見てるとこっちまで嬉しくなってにやけてきちゃうよ。





「あっ、さくらがにやけてる~」


「へ…?や、にやけてなんかないしっ」


「ふ~ん…って、またにやけたぁぁ」


「だーかーらぁ、にやけてないってば」





ただのクラスメイトだった頃とは違い、今じゃこんなに話せるようになった。



家族以外の人とこんな言い合いするのって、多分初めてだと思う。



だから雪は、私の特別なんだ。





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