マシュマロな彼
・苦悩
「どうしよう……」
「ん?どうしたの…桜」
「………なんでもない」
心地よい風が吹き抜ける道をトボトボと歩く。
隣には、鼻歌なんか歌ってご機嫌な雪の姿。
この道は普段、車の通りが多いはずなのに今日に限って少ないものだから
会話会話の間の沈黙が重い。
というよりかは、今は雪と楽しくお喋りなんてする余裕がないんだ。
「桜……なにかあったの?」
……鈍感な雪ですらわかるほど。
「ううん。何にもないの」
道路に転がっていた石をぽん…と蹴りながらも
雪に気付かれないようにと平然を装った。
………これから先、私はどうしたらいいの?
ただ、雪のことが好きってだけなのに。