マシュマロな彼




「雪?何で、抱きついてんの?」


「だって、桜ってなんだかマシュマロみたいで気持いいんだもん♪」


「……なっ」




………それって、私が太ってるって事?



人の悪口なんていいそうにない雪。



私のことを太っているって意味で言ったんじゃないってわかってる……けど、むかつく。



というか…どっちかというと、雪の方がマシュマロみたいだし。


甘いし、ふわふわしてるし……。


私は、そんな可愛いものなんかじゃないよ。



それからしばらく、私の背中に顔をくっ付けていた雪は、ふいに腕を離すと




「桜ぁ〜、俺にもギュッてして?」


そういって腕を後ろで組んで目を瞑った。


それがなんだか、この前ドラマで見た「恋人のキスをまっている女の子」に似ていて噴出しそうになったけど…


「早く~」


雪の言葉で、そんな気持ちは何処かへ飛んでいった。



私にとって、雪は初めて付き合った人……っていうか、昨日から付き合い始めた人。


こんな時、どうしたらいいのか…。


普通の人がどうしているのか……。


どうしてもわからない私。





だったらここは、ギュッってした方がいいのかな。




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