マシュマロな彼
――――ガラッ
いつもより気合を入れて開けたドアは、豪快な音を立て開いた。
中にいた人達は、一斉にこっちを見ている。
その表情は、心なしか……いや、かなり驚いているよう。
その中には、雄也くんと雪の姿もあった。
そして………
鋭い瞳で、射るようにこちらを見る恋ちゃんの姿も………。
「お、おはよ~」
自分の声が微かに震えているのがわかった。
「おぉ、おはよ桜ちゃん」
「さくら~おはよ」
少し驚いたような雄也くんの顔と、満面の笑みの雪。
それもそのはず………
「桜ちゃん……、イメチェン?」
「桜かわいい~」
「うん……、メイク似合ってるかな?」
今日、私は生まれて初めて“化粧”というものをしたんだから。