マシュマロな彼




「ん………っ」


くすぐったい感触に身をよじらせながら、閉じていた目を開いた。


寝転んだ状態のまま鼻の頭を見てみると、草の葉が風に揺れて


くすぐっていた。


はっ……と雪の事を思い出し、急いで飛び起きて辺りを見回す。



太陽の位置は、さっきよりもやや西に傾いているようだけど、あまり時間はたっていないみたい。



寝過ごしてない事に安心して、ほっ…っと胸をなでおろした。



それと同時に、目の端に黒い物を捕らえた。


それは、男子生徒の制服のズボン。


雪………、隣に寝てたんだぁ。


あったかい気持ちが心の中に広がって、無意識にニヤけてしまう。


雪の寝顔でも見ちゃおっかなぁ……







だけど、そう思ったのもつかの間…………。



次の瞬間、私の体は硬直してしまった。





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