マシュマロな彼




いきなり、手に圧迫感を覚えた。


なっ……


反射的に引っ込めようとした手は、強い力によって阻止された。





「…………やっ」



「なんか用…?」



そんな声がしたのは、手首を掴まれて数秒後。



手首を掴んだ相手はもちろん………眠っていたはずの男の子だった。



「い……いえ」


衝動的に触りそうになりました……なんていえるわけが無い。



恥ずかしさできっと顔が真っ赤になってる。



だけど、静かな空気が二人を包んでいて話すどころか、身動きすら出来ない……。




「あっそー」


無関心な男の子の声と共に、手首は開放感に包まれた。



隣の男の子は、ごろんと寝転んでいた体を起こして、あくびをしている。


やっぱりふわふわしている髪には、緑の草が付いていた。



はっ………



伸ばしかけた手を急いで引っ込めた。





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