マシュマロな彼
きらきらと空気中に漂う埃を反射させるひかりと共に
光り輝くハニーブラウンの髪の毛が目に入った。
その瞬間、胸の圧迫感から解き放たれる。
そして、溜めていた空気を一気に声にした。
「ゆきーっ」
掴まれていた手をがむしゃらに動かして、拘束を解くと
勢いよく雪の胸に飛び込んだ。
「うーっ、くっ」
恐怖から開放された安堵感で、出掛かっていた涙が一気に溢れた。
怖かったよ……。
雪の真っ白なシャツを握りこむ。
涙が染みたけど、そんなの気にしなかった。
ただ、雪の胸の中が安心できた。