マシュマロな彼





きらきらと空気中に漂う埃を反射させるひかりと共に



光り輝くハニーブラウンの髪の毛が目に入った。




その瞬間、胸の圧迫感から解き放たれる。


そして、溜めていた空気を一気に声にした。



「ゆきーっ」



掴まれていた手をがむしゃらに動かして、拘束を解くと



勢いよく雪の胸に飛び込んだ。





「うーっ、くっ」



恐怖から開放された安堵感で、出掛かっていた涙が一気に溢れた。



怖かったよ……。


雪の真っ白なシャツを握りこむ。



涙が染みたけど、そんなの気にしなかった。



ただ、雪の胸の中が安心できた。







< 214 / 281 >

この作品をシェア

pagetop