マシュマロな彼
もーっ…
なんで男ってそういう事しか考えないのっ!?
「ふふーっむ」
口を塞いでいるにもかかわらず、何かを喋ろうとする雪。
ゆっくりと手を外す。
「もー…、さくらの照れ屋さん」
別に照れているわけでもないのにそう言って、頭を撫でられた。
にこにこしている雪は可愛いけど…、何しても許しちゃいそうだけど……。
「ふふっ、桜かわい~」
「いやー…、髪がボサボサ…」
雪が撫でた髪の毛は、無残にもボサボサになっていた。
一度乱れた髪の毛は、なかなかいつもの髪型に戻ってくれない。
雪から離れて、壁に取り付けられた鏡の前で髪形を治す。
鏡には、鼻が赤くなって目が少し腫れている私の顔が映っていた。
きゃ~…っ、ブサイクだ…。