マシュマロな彼




大きな白い波に飲み込まれて、どんどんどこかへ運ばれてゆく。




それから、止まる事を知らずに膨らみ続けたそれが弾ける音を微かに聞き取った。




「ね、ねぇ……これってもしかして、全部…」



「ふふんっ、ぜぇ~んぶ弾けるよん」




遠くの方から、さっきの爆発音がいくつも聞こえてきた。



しかも、その音が心なしか近づいている気が……。





「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」


「ひゃぁぁぁぁぁぁぁ」




やっぱり、近づいてた。



白い波を掻き分けても、いっこうに前へは進めず。



「たーすーけーてぇ」




耳の側で感じたその日一番の爆発音を最後に、私の意識は途絶えた…。





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