マシュマロな彼
「ふ~ん、楽しみなんだぁ」
ルンルン気分でいた私の耳に、突如聞こえてきた声。
この声って……
「あんたさ、雪の事が好きなの?」
「な……っ」
「こっちの方が楽しみかも…、なんて。あっつい事言ってくれるね」
桜の幹の裏側から現れた人は………
この前会った、男の子だった。
「俺さ、雪のイトコなんだ」
「イトコ……?」
「そう、雪の母さんの姉さんの息子が俺」
「は、はぁ……」
いきなり何言い出したの…この人?
何の前触れもなく話し出した男の子に困惑しつつ、雪の事が知りたかった私は興味津々で聞いていた。