マシュマロな彼
「桜ぁ~ただいま!!」
「あっ、雪……おかえり」
「ん~…どうかした?」
「あのね、さっきね……やっぱり、なんでもない」
「気になる…さっき何?なにぃ――っ」
「なんでもないってば~」
「ふぅん。あっ、そうそうこれね新発売だったんだぁ」
雪の手のひらの上にポツリと袋には、「チーズケーキ味」という文字。
その中身は、やっぱり……
「マシュマロ?」
「そう!!今朝コンビニに置いてあってね、これがまたおいしいんだよ!!桜も1個食べてみる?」
「………遠慮しとく」
私の大好きなケーキの味のマシュマロをおいしそうに頬張る雪を見ても、何故だかおいしそうに見えない。
絶対おいしく無いと思うよ……それ。
なんて、ちょっぴり傾いた夕日に思った。