マシュマロな彼
「とにかく、あそこの海の家で休んでくるから」
「ちょっと待って〜」
陸に上がって海の家を目指している私を
雪がバシャバシャと水しぶきをあげながら、慌ててついてきた。
そんな私たちを周りの人たちは、ほのぼのした表情で見ているのがわかる。
傍から見たら、私って姉さん女房みたいに見られているんだろうか。
そりゃたしかに、雪が小動物みたいに私の周りをチョロチョロしてるけど
実際には、私の方が振り回されてるんだよね。
そこの所は分かって欲しいものだ。
「桜~!!早く早く」
「はっ?いつの間に……。待ってよ~」
いつの間にか、私を追い越して先導する雪の後を、一生懸命追いかける。
ほらやっぱり、私の方が振り回されてるじゃん。