マシュマロな彼
「………ん〜!!」
口の中にヒンヤリと広がるメロン味に目を見開くと、すぐ目の前の雪が目に入る。
「おいしいでしょ?んじゃ、次は桜の番ね」
そう言って、目を閉じて口をパカ〜っと開ける雪に、胸の奥がきゅん…とした。
なんか…すっごい母性本能がくすぐられる…。
「はい…あ〜ん」
「あ〜ん!!」
本当は、恥ずかしくて顔から火が出ちゃいそうだけど、なんとか冷静を装って雪の口にカキ氷を運んだ。
「おいしい?」
「おいひ〜」
見てる人はいないか……なんて、少し周りの目を気にしちゃう。
だって、ここは学校に近いし……夏だから同級生に会うかもしれないし。