マシュマロな彼



「………ん〜!!」


口の中にヒンヤリと広がるメロン味に目を見開くと、すぐ目の前の雪が目に入る。



「おいしいでしょ?んじゃ、次は桜の番ね」


そう言って、目を閉じて口をパカ〜っと開ける雪に、胸の奥がきゅん…とした。


なんか…すっごい母性本能がくすぐられる…。



「はい…あ〜ん」


「あ〜ん!!」



本当は、恥ずかしくて顔から火が出ちゃいそうだけど、なんとか冷静を装って雪の口にカキ氷を運んだ。



「おいしい?」

「おいひ〜」



見てる人はいないか……なんて、少し周りの目を気にしちゃう。


だって、ここは学校に近いし……夏だから同級生に会うかもしれないし。




< 251 / 281 >

この作品をシェア

pagetop