マシュマロな彼
「え……えぇ!!どうしよう」
心の中がざわざわとなって、不安が一気に押し寄せてきたせいで、額には冷や汗。
家からここまでは、電車とバスで来たんだけど、運が悪かったら最終のバスは行ってしまったかもしれない。
そうなったら………
「ちょっと雪!!家に帰れないじゃん」
「うわ~…どうしよ」
雪も冗談無しに焦っているようで、右に行ったり左に行ったり……慌しく動いてる。
来るとき会話に夢中になってたから、道をよく覚えてなかったんだ。
進めば進むほど、細い道に行ったり、民家に行ったり……。
本当に涙が出そうになってきた。
「どうすんの……。このままじゃ」
「とにかく人に聞いてみるから!!」
眉を寄せる雪は、私の不安を見抜いているようで、道行く人を見つけてバス停の位置を聞き出してくれた。
そして、なんとかバス停に着いたんだけど……
「どうしよ……」
7時発の最終バスは5分前に出発してしまい……、案の定私達は取り残されていた。