マシュマロな彼
・お泊まり
どうしよ……。
今日、お兄ちゃんはサークルの飲み会だし、親は出掛けてるし。
ここで過ごすしかないじゃん。
―――…サァ
ギシギシと傷んでしまった髪の毛が、海風に吹かれてなびいた。
重い空気が私達を包み、固く口を閉ざしたまま、どちらも言葉を発しようとしない。
頭の中をぐるぐると支配するのは、どうしよう……という言葉だけ。
俯いた足元にあった小石を軽く蹴ると、隣の雪の足に当たった。
フッ……っと顔を上げた瞬間、雪と目がパチッっと合う。
きゃ〜!!
目が合っちゃったよ!