マシュマロな彼



慌てて外そうとするも、金縛りにあったように逸らせなくなった。



ドキドキと高鳴る胸に手を当てると、激しい震動がダイレクトに伝わって、涙で目の前が霞んでくる。



なんでなのかわからないのに、頭の中がぐるぐるする。



「桜……、どうする?」


「ど、どうするって……」


「今日は、帰れないから……、どっかに泊まる?」




…………と、泊まるって。

泊まるって、お泊まり?


うそ〜!!そんな………


「だ、ダメだよ!!」


ありえないでしょ。



断固拒否したいけど、冷静になって考えると、泊まる……という選択肢しか残ってないわけで………。




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