マシュマロな彼
「………ん」
「……っ!!」
私の手首をしっかり掴んだまま、枕に顔を埋めた雪に心臓がドキリと音を立てた。
その勢いでギュッっと瞑ってしまった目。
雪、起きちゃった?
恐る恐る目を開いてみると、見えてきたのはさっきと変わらない、気持ち良さそうな寝顔の雪。
心なしか、笑っているようにも見えて、母性本能が思いっきりくすぐられた。
あまりの可愛さに、柔らかい髪の毛を触ってみる。
猫みたいに柔らかい髪の毛の感触が私の手に伝わると、脳に「触っちゃダメだよ―!!」って命令を一生懸命だしてる、だけど……
体はゆう事を聞いてくれない。
そのまま、ゆったりとした空間でベッドの上に寝転んでいると、急に瞼が重くなってきて……
――――寝ちゃダメ…
そんな思いもむなしく、やがて瞳は完全に閉じてしまった。