マシュマロな彼
「桜のほっぺって気持ちーよね。なんかマシュマロみたい…」
それを言うなら、雪のホッペだよ。
いつもなら、そんなふうに普通にかえせてたかもしれない。
だけど、息が出来なくなりそうなくらい心臓がドキドキいって、雪の声もボヤン…としか聞こえないくらい。
恥ずかしさに耐え切れなくなって、ぎゅっ…っと目を瞑ると、シーツが擦れる音と共に
「食べちゃった」
「~~~~~~~~っ」
オデコに暖かくて気持ちいい物が一瞬触れた。
それはやっぱり雪の―――…
ドキドキドキドキ……
口から心臓が出ちゃいそう。
息が出来なくなって、死んじゃいそう。
これから起こるかもしれない事に、覚悟を決めそっと目を開けた。
なのに――――…
「さくら、もう遅いから寝よっか」
目の前に見えた雪の顔は、さっきの男っぽい表情じゃなくって、いつもの可愛い雪の顔。