マシュマロな彼



前にもこんな事あったと思う……。


雪の流れに飲み込まれちゃいそうになったところで、急にやめちゃうものだから拍子抜けしちゃうんだ。



「あれ?桜はもっとラブラブしたかった?」


「んなわけない!!」



時々、わかんなくなっちゃう。

雪はこんなに可愛いけど、確かに男の子。

彼女がいたら、やっぱりいろんな事考えたりしないのかな……って。



雪は、他に本命の彼女がいるのかもしれない……とか、私には魅力がないんじゃないのかな……とか。


嫌な事ばっかり考えちゃう私は、悪いのかな……。



「ほら、桜……おいで」

「うん」



雪に導かれるまま、ベッドの中にもぐると雪も隣に入ってきた。


布団の中で肩から微かに雪の体温が伝わってきて、二人とも何もいう事なくただ天井を見上げている。


相手の息遣いが聞こえてきて、心臓の運動を活発にさせちゃう。






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