マシュマロな彼
「も~~~~っ」
朝は、ゆっくりのんびり時間に余裕を持つタイプだから、こんなに慌しく動くのは心臓に悪いような気がする……。
なんとか用意を済まして時計に目をやると、なんとかライブの時間に間に合いそうだ。
「ゆき……、悪いけどライブに行くね」
「うん、いってらっしゃぁ~い」
「いってきます」
新婚さんのような挨拶を交わして、町の人に時間を聞きながらやっとの事で駅に着くと
「あっ桜ぁ~…、遅――い」
「ごめんごめんっ」
待ちくたびれた様子の姫香が立っていた。
姫香は、女の子らしいピンクのワンピースを着ていて、私とはちょっと釣り合わない気がする……なんて思いながらも
ライブが行われる会場へと急いで足を運んだ。
「も~、私楽しみで眠れなかったよぉ」
「私はぐっすり寝れたけど…」
「ユッキーとは、どうなったのぉ??」
「別に……何もないけど」
女の子同士でしか出来ないような恋の話なんかもしていると、目の前に長蛇の列が現れた。