マシュマロな彼
「ユッキーでぇす♪」
弾んだ大きな声で、私の知らない名前をいった恋ちゃん。
………ユッキー?
誰その人……。聞いたことない……。
「えぇ!!恋ちゃん、ユッキーの事が好きなの!?」
「へぇ。恋が雪をねぇ。かわいい系の男ってダメなんじゃなかったっけぇ?」
私の頭の中の網みたいな所に、果奈ちゃんの言葉が引っかかった。
………今、雪って言った?
雪って名前の人って…………。
私の知っている限り、あの可愛い雪しかいないよ?
さっきまで、悪い事をしているようにドキドキしていた心臓は、違う意味でドクドクと高鳴り始めた。
少しずつ、手が湿ってくるのがわかった。
この個室だけ、湿度がどんどん上がっていくよう……。
恋ちゃんが言ってる雪って雪の事なの?
その後、恋ちゃん達は何か話していたけど、何も耳に入ってこなくて頭の中が真っ白で
私は、トイレの中にたちすくんだまま、しばらく動けなかった………。