マシュマロな彼





あんな事を聞いた後で、元気だそうとしても簡単には出るものじゃない……。



なんだか体もダルイし……、今日は早退することにした。



だらだらと無駄に長い廊下を歩きながら、一番奥にある保健室の顔を出した。




中は、保健室独特のにおいが漂っているだけで、誰もいなかった。



入り口付近の机の上に置いてある真っ白な紙に、自分の名前と「早退します」も文字を書いて




学校を後にした。






「ふ~…………」



学校の帰り道。




いつもなら、沢山の生徒で溢れ返っているこの道も今は私一人だけ………。





そんな私の心と比例するように



寂しい風が、私の側を通り抜けて行った………。





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