マシュマロな彼




もっとよく下を見てみると、私は予期せぬ光景に目を大きく見開いた。




「ゆっ、雪ぃー!?」


「さーくらぁ~」



そこには、ぴょんぴょん跳ねながら元気に手をフル雪の姿があった………。











「やっほ〜桜っ」



玄関を開けると同時に、雪がヒョコッっと入って来た。



「こんにちはぁ~」



「こ、こんにちは」






…………じゃなぁ〜い!!




「雪っ。なんで家にいんの!?」



「いーじゃんか♪それより…」



……………ん?


後ろに組んだ両手をモゾモゾとさせた雪は、真っ白い箱を差し出した。




「はぃっ。ケーキだよ」



雪の手から渡されたケーキの箱。



上の透明なビニールの部分からチラリと見える、キラキラしたフルーツ達………。



「えっ、これ……ラメルの新作のタルトでしょ?おいしそ……」



雪の手から箱を受け取る私を見ている雪は、なんだか満足そうな顔。



ケーキを貰った私は、とっても幸せな気持ちに包まれた。




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