マシュマロな彼
「ねぇ桜。俺の事、好き?」
「好き………だよ」
「よかった」
玄関で靴を履き、もう一度振り返った雪はそう言うと
鞄の中をゴソゴソとバックの中をあさっているかと思えば
マシュマロを摘んで取り出し、私の口の中にぎゅっっと押し込むと
「また明日ぁ~」
なんて、振り返らずに手をひらひらさせながら
帰っていった。
私はと言うと
「ふぁいはぁ~い」
口の中のマシュマロに注意を払いながらも、雪の後ろ姿が見えなくなるまで
玄関の前に突っ立っていた。