マシュマロな彼
・夜の学校で………
――――キーン コーン カーン コーン
遠くから、学校のチャイムの音が聞こえてきた。
妙に肌寒い……そう思って私は、ムクッっと起き上がった。
お腹減ったな……そう思って、いつものようにリビングに行こうと思ったんだけどなんか………おかしい。
あたりをよく見回してみると、てっきり自分の部屋だと思っていた所は、何故か学校で、焦って外を見てみれば、あたりは真っ暗。
自分の格好を見ると、まだ制服のまま。
もう家に帰ってきたのかと思っていた私は、呆然とするほかなかった。
まだ目が覚めたばかりでパッっとしない頭の中の細胞一つ一つをフル活動させて、やっとの事で「あっ……」っと思い出した。
そういえば……学校から帰ろうとしたら、先生に頼み事をされて、居残りしてたらうっかり寝てしまったんだ。
時計は見てないけれど、この暗さからいったら、多分とっくに9時は過ぎてるだろう。
戸締りの先生に気付かれなかったのが不思議でたまらない。
私ってそこまで存在感なかったのかな?
そう思いながらも、徐々に気持ちが焦ってきた。
早く帰らなきゃお母さんが心配しているだろうし、それにお腹も減ってきたし……。
そう思い私は、急いでバックを持って教室を出ようとした……。
―――ガチッ
――――――…!?
あれ?
なんかおかしいんですけど。
いつもはすんなりと開くはずのドアが開かない。
何度も開けようと試みてみるけど、ドアはビクともしない。
どうやら外から鍵が掛かっているらしい……。
もしかして、私………ここから出られないんじゃない?