マシュマロな彼
って事は、朝までココで過ごさなきゃいけないの!?
そう考えた瞬間、背中に冷や汗が流れるのが分かった。
……八枝 桜、一生の不覚。
A型という性格上、綺麗好きな私は、鞄の中ももちろん綺麗。
そんな鞄の中から、デコりなんて1つもしていない、淡いピンク色のケータイを取り出して、お母さんにメールを打つ。
「今日は、友達の家に泊まるね」
……友達なんていないですー。
心の中で、一人寂しくツッコむ。お母さん、嘘ついてごめんね。
それからどうしようか悩んだけど、一つ上のお兄ちゃんに助けてメールを送る事にした。
ふとケータイの上の表示を見ると、電池があと1個になっていた。
や、やばい~…。
そう思って、焦る心を抑えながらも頑張ってボタンを押していく……。
「お兄ちゃん、たす……」
そして、ここまで書いた瞬間、ケータイの画面が真っ暗になった。
そして、
――――――ピー ピー
と悲しく響く“電池切れの音”。
あー……。
電池切れちゃった。
今日は、なんて運が悪いの…?日頃の行いが悪いから?
こんなについていないのは、初めてだったから、すっかり落ち込んでしまった。
う゛ー…。
あまりの不甲斐なさにへこんでいると、「ギュルルー……」変な音が聞こえてきた………。
誰もいない教室から、なんかの変な音…。
も、も、もしかして………
―――――オバケっ!?