マシュマロな彼
「ゆきっ!!降ろしてってば!」
「だ~め。桜、暴れたら落ちちゃうよ?」
「ギャァー!!」
じ、実は………
―――――数分前――――――
「うおぉぉぉ!はっしれぇー」
学校に遅刻しまいと全速力で走ってる私。
「そんなに走ったらこけちゃうよー?」
その横で余裕そうに話しかけてくる雪。
そんな雪をこれまた全力で無視すると、目の前に学校が見えてきた。
もう少しだっ。
そう思うと、少しからだの力が抜けた。
だけど………、それがいけなかったんだ。
「うっさいわね!もっと早く……うおっ!!」
走りながら雪の方を見た瞬間………天と地がひっくり返った。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
はい……、案の定……こけてしまいました。
「さくらっ!?大丈夫っ?」
慌ててる雪。
それもそのはず………
大分出血してますからね、鼻から……。
「うっ…痛いし……は、恥ずかしいよ~」
痛さというか、恥ずかしさから涙が出てきた。
「桜、大丈夫だよ!」
雪が不敵に笑った。