マシュマロな彼




「さくら、入るよ?」




いつの間にか、教室のドアの前に立っていた。


教室に入るのに、こんなに緊張するって……。



中からは、騒がしい声が聞こえてくる。



どうやらまだ授業は始まってないようだ…………。


雪と繋がった手は、緊張からか汗ばんでいるのがわかった。



でも、隣の雪は余裕の表情。


絶対この汗、私のだ。


緊張を解くように、ゆっくりと深呼吸をした。





「せーの……」




―――――――ガラッ





雪がドアを開けた瞬間、あんなに騒がしかった教室がシーンと静まり返った。



皆の目線は、私と雪に集まっている。


いや、正確には私と雪の手元を見てるのかな。






視線が痛いよー。





< 95 / 281 >

この作品をシェア

pagetop