マシュマロな彼
「さくら、入るよ?」
いつの間にか、教室のドアの前に立っていた。
教室に入るのに、こんなに緊張するって……。
中からは、騒がしい声が聞こえてくる。
どうやらまだ授業は始まってないようだ…………。
雪と繋がった手は、緊張からか汗ばんでいるのがわかった。
でも、隣の雪は余裕の表情。
絶対この汗、私のだ。
緊張を解くように、ゆっくりと深呼吸をした。
「せーの……」
―――――――ガラッ
雪がドアを開けた瞬間、あんなに騒がしかった教室がシーンと静まり返った。
皆の目線は、私と雪に集まっている。
いや、正確には私と雪の手元を見てるのかな。
視線が痛いよー。