優しい歌 ※.。第二楽章 不定期亀更新
「真人……、
後……直澄君も来てくれたんだよ」
うん、知ってる。
「……直澄……ごめん……」
直澄はゆっくりと近づいて来て
僕の顔を見つめる。
震災前以来、久しぶりの再会。
「ずっと捜してたんだよ……真人を……。
心配してたんだ」
「うん。
僕も……ゴメン」
「今、おばあちゃんの家にいるんだ。
今度から祖母ちゃん家に来て。
俺、ずっとそこにいるから」
「うん。
直澄も僕の家に遊びに来て。
いつでも歓迎するよ」
「そうだね」
こんなに心から微笑み合うことができる。
今の僕は無理やり笑顔を作ってない。
「真人、もう少し眠りなさい。
私は退院の許可を貰ってくる。
起きたら一緒に帰ろう」
はい。
皆が居る、僕が住んでもいい街へ。
温盛が薫る
僕のもう一つの故郷へ。