30分の待ち時間
「待ってくださいおばあさん!
駆け落ちなんかじゃありません!
あたしたちはただの知り合いです!
駆け落ちなんかじゃないんです~!
信じてくださいっ!!」
「おいスズ。
そんなに否定しなくても良いじゃねぇかよ…」
「うるさいクズ!
太一は黙っていてよ!」
「クズ!?
てめっ、さっきは俺のことお気楽呼ばわりして、今はクズ呼ばわりかよ!」
「何度でも言ってあげるわ!
クーズ、バーカ、お気楽ー、能天気-」
「頭でっかち、毒舌、ドS、口悪い、馬鹿」
「馬鹿はそっちでしょ!?」
「いーや、お前の方が馬鹿だね!」
「じゃあテスト何点よ!
あたしはこの間のテスト、数学100点満点中の55点よ!」
「プッ、55点だって。低っ」
「太一の数学はどうなのよ!」
「俺?
聞いて驚くなよ?
俺は100点満点中、58点だ!」
「はぁ!?
何であたしより成績良いわけ!?
あたし1番数学が自信あったのにー!」
「俺も数学が1番だ!」
「……似た者同士やのぉ」
おばあさんの「フォフォフォフォフォ」と言う笑い声が響いた。