30分の待ち時間
「……ハァ」
数時間後。
あたしは溜息をついた。
快速電車ではなく、各駅停車を待った。
各駅停車がやってきて、端に座った。
鞄を人が少ないにも関わらず、膝の上に置いた。
…ここまでは良かった。
問題はその後。
あたしは眠くもないのに目を閉じてしまった。
もしタイムマシンが目の前に現れたのなら、今すぐその時間へ戻り、思い切り自分の頬をぶっ叩いて起こしていただろう。
それほどあたしは、自分のした行動に呆れていた。
いや、と否定する。
目を閉じたのは良い。
良くないけど、しっかり起きていれば良かったんだ。
目だけ閉じて、意識はハッキリしていたのなら、良かったんだ。
あろうことかあたしは、そのまま本当に眠ってしまった。
疲れ切っていたのかもしれない。
いや、疲れ切っていた。
ここ最近の出来事で、あたしは家でぐっすり熟睡していなかった。
眠くなかった、と言いながらも、本当は眠かったのかもしれない。
しかしその、寝たという何でもないその行動が。
あたしに深い溜息をつかせたのは、変えようもない事実だろう。