30分の待ち時間
親友と恋愛 鈴side
あれは確か、1ヶ月ほど前のことだったと思う。
前の席で小学校からの幼馴染・葉月(はづき)が、お昼休み、真剣な顔であたしに話しかけてきたのは。
「鈴、あのね」
「どうしたの葉月」
「……私、好きな人が出来た」
「えっ?本当に?
誰なの?
葉月の恋ならいくらでも応援するよ!」
「ありがとう、鈴」
「誰なの?葉月が好きになった人って」
告白は日常茶飯事、学年で1番モテる葉月だけど。
今まで誰も好きになったと聞いたことがない。
美少女として有名な葉月だ。
相手もかなりのイケメンなんだろうなー。
「あのね……
サッカー部の、海(かい)先輩…」
葉月の言葉に、あたしは固まった。
サッカー部の…海、先輩……?
「鈴?どうしたの?」
「…意外だなぁ。
葉月が海先輩を好きになるなんて」
あたしはこの時、上手く笑えていなかったと思う。
だってサッカー部の海先輩は…
あたしの、好きな人だったから……