30分の待ち時間







現在あたしがいるのは、自宅の最寄り駅から10個ほど通り過ぎた、自宅の最寄り駅よりも田舎な駅。

見渡す限り、緑ばかり。

良く言えば自然が沢山(たくさん)、悪く言えば田舎・何もない。

それがこの駅の第一印象。




いや、自然が多いだけなら良い。

田舎でも何もなくても、帰ることが出来るのなら良い。

…そう、帰ることが出来れば。




あたしの目の前にあるのは、この駅の時刻表。

スマホに表示された時刻と照らし合わせてみると。

…次の電車は30分後と言う方程式が生まれるのだ。




何故そんなにも電車が来ないのか。

あたしは電車に詳しくないので、よくわからないけど。

どうやら路線の関係上、この駅に電車は滅多に来ないらしいのだ。

この駅の手前の駅で、どうやら別方向に行ってしまい、こっちに来るのが30分後なのだ。





「……信じられなーい!」




静かな駅に、あたしの絶叫が響き渡る。




起きて、乗り過ごしたとわかったあたしは、何も考えずに、到着した駅で降りてしまった。

もう少し先や、はたまた終点まで乗っていたのなら、こんな駅で30分も待たなくて済んでいたはずなのに。




今日は災難続きだ。

学校でも嫌なことが立て続けにあったのに。

…あたしって神様に嫌われているのかしら?








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