30分の待ち時間
「…ともかく。
あたしと太一に、ネイティブ発音を求めちゃ駄目だわ」
「何で俺も!?」
「良いでしょ」
「……わかったよ」
納得いかなさそうな顔していたけど、無視しておいた。
「そういえば太一。
お兄さんの結婚式なんでしょ?
何で行かなかったのよ」
「…行きづらくて、放課後テスト勉強するからって断った」
「あんたがテスト勉強!?
アハハッ、天と地がひっくり返ってもあり得ないわ!」
「失礼じゃねそれ!
俺はテスト前にはしっかり勉強しているし!
お前みたいな馬鹿とはちげーんだよ!」
「失礼な!」
「お前こそ勉強しているのか!?」
「しているわよ!当たり前でしょ!?」
「ヘッヘ、それこそ天と地がひっくり返るんじゃね?
それか、海と陸が逆になったりしてな!」
「ムキーッ!」
言い合いしている所で、あたしたちを誘導していたダークスーツの男性が止まった。
「こちらでございます、どうぞお静かにお入りください」
「「はーい……」」
お静かに、強調されたよ。
やっぱりうるさかったかな?
ごみんよ。