30分の待ち時間






とまあ、こんな考えていても仕方ない。

時間は戻せない。

今を精一杯生きるのだ。



…何かあたし、今良いこと言ったよね?

録音しておけば良かったかなぁ。

本当にはしないけど。

ナルシストじゃないから。




……ん?録音?

あっ!

スマホがあるじゃん!

何か無料ゲームのアプリでも探して、暇潰せば良いじゃん!

ナイスあたし!




あたしはスマホを取り出してつける。

…そして画面に表示された文字に、再び打ちのめされた。ぐはあっ。



<充電切れです。充電してください>



使えないなこのスマホ!

…まぁ、充電していないあたしが悪いんだけど。



ていうか、スマホ電源切れたら、ゲームはおろか、家に連絡も出来ないじゃん!

まぁ父さんは単身赴任中で家にいないし、母さんも仕事で忙しいから、家に誰もいないのが現実でしょうけど。

いつも1人で夕飯とか作っているから、遅く帰ったとしても、何か言われたりしないかな…。




しかしまあ、時間を潰せそうなものは全て、完膚なきまでに打ちのめされて。

…あたし、今日ほどついていない日があっただろうか?

いや、ないな。

絶対今日ほど、希望が壊された日など存在しない!








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