30分の待ち時間
「ねぇ鈴。
さっき、私が先輩に告白したのを聞いたって言ったよね。
それってどこまで聞いたの?」
「……好きですって言っている時点で、気が付いたら逃げてた」
「じゃあその後は聞いていないんだね?」
「うん」
あの場所にいたくなかったから…。
「実はあの後私ね、1回フラれたんだよ」
「フラれっ……!?」
海先輩が、葉月をフッた!?
学年1可愛い葉月からの告白を断った!?
男子なら誰しもが彼女にしたい女子1位の葉月を!?
「……1回フラれた?」
「うん。
1回はごめんって言われた。
だけどオッケーしてくれた」
「……え?」
どういうこと?
「先輩には好きな人がいるんだって。
だけどその子は自分を全く気にしていないから、きっと他に好きな男子がいるんだと思って諦めていたんだって。
そんな時私が告白してきて。
その子を諦めて、私を好きになるよう努力してみるから、付き合ってくれないかって、1回その海先輩の話を聞いて、言われたの。
だから私はまだ、海先輩が好きな子に勝てていないの」
海先輩に好きな人がいたなんて。
無口なのもあるんだろうけど、全くそんな話聞いたことなかったな。