30分の待ち時間
「太一っ……!!」
あたしはその笑顔目掛け、走って抱きついた。
周りの目なんて気にしている暇なかった。
「えっ!?スズじゃん!
どうしてこんなとこにいるんだ!?」
「太一っ!太一っ!会いたかった…!」
「スズ……!」
「あのね太一、あたしねっ……!」
「ストーップ!!」
相変わらず発音が死んでいる太一が、あたしを離して咳払いを一つした。
「えー、コホンッ。
スズ、俺から言わせて…?」
「太一……?」
「俺、
スズのことが好きだ」
昨日砂浜で並んでみた夕焼けよりも真っ赤な太一の顔が
目の前にあった。