お隣さんはドSな彼


「さて梨華様。お稽古の時間ですよ」

と執事はそういった。

くっそー。宏太め。なんで教えるのよ

そう執事に腕を引かれながら思った。

あれから何年か立ち私はもう高校生だ。

宏太と私は同じ高校へと進学した。

というか普通ならエスカレーター式を進学しろとパパに言われたけれど、パパから離れたいという願いを込めて、私は普通の高校を受験した。

パパを説得するのは難しかったけれど、宏太が一緒にいるのならと納得してくれた。

「はぁ・・どうして宏太まで・・」

そういうと宏太はふふんと鼻を鳴らし、こういった。

「だって梨華のお父さんに頼まれたんだし、仕方ねーじゃん。逆に俺がいないと受験さえもできなかつたんだぜ?」

そういい俺まじ神だわといった。

なにが神だ。くそ宏太。

宏太がパパに色々報告したら、パパから離れたことにはならないじゃない。

そう思いぷいっとそっぽを向いた。

「どーせ梨華の事だし"パパに報告しちゃやだ!"っとか思ってんだろ?」

そう宏太はじろりと私の顔を見つめていった。

ギクリっ

効果音が鳴った。

「ぷはははっ!梨華の考えることなんてお見通しなんだよ」

宏太は得意げに鼻を鳴らしていった。

宏太の言葉にムッとして、ぷいっとそっぽを向いた。

すると扉のノック音が聞こえた。

「お嬢様お車の準備ができました」

メイドの声がして我に返る。

そうだ、ひとり暮らしの為に準備をしていたんだった。

「わかったわ。すぐに行く」

そういい急いで荷物を詰め込んだ。

「梨華一人暮らしすんだろ?梨華のお父さんに内緒でいいのかよ」

そう宏太は溜息を吐きいった。

「ふふん。パパなら説得済みよ。一人暮らしは将来の為にっていったらあっさりokしたわ」

そう宏太にいった。

「へー。いじきたねぇ。まーたまには遊びにいってやるよ」

そう宏太はいった。

「別に来なくていいんだけどね」

そう吐き捨てるようにいいキャリーバッグを持った。

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