お隣さんはドSな彼
使用人にキャリーバッグとその他の荷物を運んでもらい皆に涙ぐむお別れをした。
「じゃあそろそろいくわ」
そういい車の取っ手を掴み車に乗り込んだ。
「お嬢様・・・もし何かございましたら電話下さい」
そう執事が言うと車が発進した。
車はどんどん知らない街並へと変化する。
すると車はキキーと音を立てて止まった。
「じゃあ"何かあったら"連絡するわ」
そういい軽やかに手を振りマンションに入った。
確か私が住むお部屋は205号室だったはず。。
あ!その前に大家さんに挨拶に行かなくちゃ。
コツコツとヒールの音を立て大家さんのいる窓口に向かった。
「すみません。私ココに引越して来た西園寺梨華と申します」
そう言うと大家さんは窓口でニコリと笑い「あらあら梨華様じゃないですか。お父様から話は伺っております。確か205号室でしたね。では案内します」そう言うと大家さんは扉を開けて出てきた。
大家さんと聞いていたからおばさんかと思ったら美しい女性だった。
「でもどうしてここをえらばれたんですか?梨華様ならもっといい場所があったんではないんですか?」
大家さんはそう聞くと「そりゃ私からしたら嬉しいですよ?けれど梨華様にはもっと」と大家さんはいった。
「私昔からパパに監視されていて、それから逃げたかったのもありますが、一番はココに魅力を感じたんです。迷惑をおかけする事もありますが、よろしくお願いします。それと梨華"様"ではなく、梨華と呼んで下さい。なんか片苦しくて」
そういうと大家さんはブンブンと手を振り「む・・無理ですよ。梨華様を梨華だなんて」といいハッとした様子の大家さん。
「ふふっ。そう呼んでくれると嬉しいです」
そういい気がつくともう205号室についた。
「ではこちらが西園寺梨華さんのお部屋になります」
大家さんはペコリと頭を下げてさっていった。