好きで、言えなくて。でも、好きで。
「ちょっと待て。なんで細脇が出てくるんだ?俺は一言も…」



ツラツラと威叉奈が話す言葉を聞いていた棟郷だったが、何故相談の内容が苗込だと思い込んでいるのかが分からない。



「だって管理官、ナエちゃんとよく話してたじゃないですか。それにナエちゃん、なんか断ってた雰囲気だったし。」


「それは……」



見られていたのか。と棟郷は動揺し目が泳ぐ。



「管理官、ナエちゃんのこと、好きですよね。」



威叉奈の言い方は、かなり確信的だった。



「な、なんでそうなる……?」


「なんでって……。食事にでも誘おうとしてたんじゃないんですか?でも、断られ続けて。だから最終手段で嫌いな私に相談を…」



「相談は……その…。というかだな、なんで俺がお前を嫌いな設定なんだ?」


「設定っていうか、管理官含めて一課の人、こっちのこと嫌いですよね。まぁ、お互いみたいですけど。風習みたいなもんだってトクさんが言ってたんで、従ってますけど。」



私は嫌いなんて、一言も言ってませんけどね。



なんて。

目線を反らして、最後の方は小声になりながら威叉奈は言う。
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