好きで、言えなくて。でも、好きで。
「管理官!発見しました。」


「どこだ?!」



「駅から少しのところにあるファミレスですね。」



3日前に遡り、警視庁から威叉奈の自宅までを調べていた。


そうしたら、見知らぬ男とファミレスへ向かう威叉奈がいた。



「誰かと一緒ですね。」


「こいつは…」



「知ってる奴か?」



「秩浦椒鰲だ。元駁兜の総長。威叉奈の昔の仲間だ。」



あの電話はこいつか…!


賭狗膳は思わず舌打ちをする。



「でも、昔の仲間なら会うのは当然では?」



「威叉奈は俺と暮らす時に族とは縁を切ったんだ。こいつは威叉奈が警察学校に入るまで追いかけてたが、威叉奈は会うのを拒んでた。ケジメだってな。」



実際の理由はケジメだけではないようだが、それでも威叉奈が自分から昔の仲間と会うことは絶対にない。



「でも、時間からいっても食事してますよね。なんで…」


「まあ、理由はこの際どうでもいい。ファミレスから出た後は、どこへ行った?自宅には戻った様子がなかったんだよな。」


「ああ。」



それは、苗込が確かめたので、戻っていないことは確実だ。
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